化学療法(抗がん剤治療)

抗がん剤治療について

抗がん剤治療の目的をおさらいしましょう。再発・転移をおさえて病気をなおすことが目的でした。

抗がん剤治療は、副作用がこわくてしんどいという良くないイメージがあります。20年くらい前には、副作用(特に吐き気)をおさえる良い薬がなかったこともあり、相当しんどい治療法であったことは確かです。

しかしながら、現在では吐き気の相当部分をおさえる薬が開発されました。こういった薬をきちんと使うことで、副作用をかなりの部分コントロールできます。抗がん剤治療は、その副作用と効果をきちんと理解すれば、デメリットを補うだけのメリットがあることが理解できるのではないでしょうか。

もちろん、理解したうえでそのメリットが十分でないと思われた方には、抗がん剤治療を受けないという選択肢も有り得ます。

抗がん剤のメリット

20年以上も前に、乳がんの手術後に抗がん剤治療をすることで、手術だけした人よりも再発する危険性が1/4ほど減ることが報告されました。

手術だけでは治らない人が、抗がん剤治療により治るということは非常に画期的なことで、それ以来研究が進められてきました。現在もさらに良い治療を求めて、研究が進められています。

抗がん剤治療のポイント

抗がん剤治療のポイントは、使用する抗がん剤の種類・投与量・投与回数です。抗がん剤はいろいろな種類がありますが、すべてのがんに効くわけではありません。また、再発予防に使用する薬と再発後に使用する薬も、若干異なります。

抗がん剤の投与量についてですが、抗がん剤はほかの薬とちがって効果が出る量と副作用が強く出る量が非常に近いという特徴があります。たとえば、ほかの薬は間違って2倍使用してもすぐに生命にかかわるということはありませんが、抗がん剤ではそうはいきません。

ですから、抗がん剤の投与量は、身長と体重から割り出される体表面積を指標として、厳密に決められています。抗がん剤は多すぎればとても強い毒になり、少なすぎれば毒にはなっても、薬にはならないという特徴があります。

投与回数については、今まで行われた臨床試験から標準的な投与回数が決まっています。これも多すぎても少なすぎてもいけなくて、厳密なものです。

抗がん剤による副作用がこわいからといって、標準的に使用する量より少量を投与している場合をみかけます。ところが、抗がん剤は効果の出る量より少なく使ったのでは、効果が著しく落ちてしまいます。ですから、まず標準的な投与量を使用してみて、もし副作用が強く出るようならば、その時に初めて投与量を下げるようにしなければなりません。

抗がん剤治療の対象となる人

抗がん剤治療は、ホルモン治療が効果のないすべての人が対象になります。高齢で副作用が心配だったり、しこりが小さくて再発の危険性が低い場合、ご本人が希望されない場合には、抗がん剤治療をすることしないことのメリット・デメリットを良く考えた上で、抗がん剤治療を行わないという選択もありえます。

また、ホルモン治療が効果のある人でも、再発の危険性が高い場合には、抗がん剤がすすめられます。例えば、しこりが大きい場合やリンパ節に転移のある場合などです。

抗がん剤の量の決め方

抗がん剤の量は、「身長」と「体重」から割り出した「体表面積」によってきまります。
また、薬ごとに体表面積あたり何mgを投与することという、標準的な投与量が決まっています。

以下は詳しくなりますので、ご参考まで。

表記は、△mg/m2、というようにされます。

m2が「体表面積」のことで、たとえば、
あるお薬の標準的な投与量が△mg/m2、
あなたの「体表面積」が1.5m2であれば、
実際の投与量は、△mg/m2x1.5=1.5△mg となります。