標準的な抗がん剤治療

■CMF
C:シクロフォスファミド(エンドキサン)、M:メソトレキセート、5FU
を組み合わせる、初期の頃から使用されてきた抗がん剤の組み合わせです。

1サイクル4週間を6サイクル行います。Cを2週間連日内服し、1,2週目にM(40mg/m2)と5FU(600mg/m2)を注射するのが一般的です。

脱毛はありますが軽いこと、他の毒性がアンスラサイクリン系よりも軽いことが利点です。効果は次にのべるACと同じですが、注射の回数が12回とACの3倍になること、期間も2倍になるために最近はあまり使われない傾向にあります。

CMFに変わって最近よく使用されるのは、アンスラサイクリンという系統の、
A:ドキソルビシン(アドリアシン)、E:エピルビシン(ファルモルビシン)です。

これらをC:シクロフォスファミド(エンドキサン)や5FUという働きのことなるお薬と組み合わせて使用するのが一般的です。

たとえば、
■AC(EC)
A:ドキソルビシン(アドリアシン)またはE:エピルビシン(ファルモルビシン)
これらをC:シクロフォスファミド(エンドキサン)とともに3週間毎に4回点滴注射をおこないます。標準的な投与量は、ACでは、A:60mg/m2、C:600mg/m2を使用します。

EはAと同様のお薬ですが、同じ量を使った場合には副作用が軽いことがウリです。しかしながら、術後療法では最適な投与量がきまっておらず、75mg/m2から100mg/m2の間で使用されます。

主な副作用として、脱毛(100%必発)、吐き気、白血球減少、全身倦怠感などがあげられます。人によって吐き気が強くでる場合がありますが、最近は良い薬がありますので、ほとんど吐き気がないという人だって少なくありません。

■CAF(CEF)
これは、AC(EC)に5FUというお薬を追加した方法で、3週毎6サイクルと4週毎6サイクル行う方法があります。AC(EC)が4サイクルなのと比べると治療期間が長くなるのとお薬の投与量が多くなるため、治療効果がよりすぐれている可能性がありますが、直接的に比較したデータはありません。

使用する薬剤量は、3週毎CAFの場合C:500mg/m2、A:50mg/m2、5FU:500mg/m2です。4週毎CAFの場合は、C:100mg/m2を14日間内服し、1、2週目にA:30mg/m2、5FU:500mg/m2の注射をします。あとの2週間はお休みです。Eは60~120mg/m2の間で使用されることが多く、最適な投与量は決まっていません。

■タキサン(タキソール・タキソテール)
リンパ節転移があった人に対して、ACを4サイクル終了後にタキソール(175mg/m2)というお薬をさらに3週毎4サイクル追加すると、再発率と生存率が改善されると報告されました(試験名CALGB9344)。

具体的には、比率で再発が17%と死亡が18%、5年時点の絶対値で再発が5%と死亡が3%改善されていました。

もう一つ類似の臨床試験の結果では、ACを4サイクル終了後にタキソール(225mg/m2)をさらに3週毎4サイクル追加すると、再発率が改善されると報告されました(試験名NSABP B28)。比率で再発が17%、5年時点の絶対値で再発が4%改善するのは先にあげた試験とほぼ同じですが、生存率ついては現時点では改善されていません。

ほかの試験の結果から推測すると、タキソテールという薬でも同様の効果が期待できそうです。しかし、欧米での標準投与量が100mg/m2に対して、日本では最大でも70mg/m2というところがネックです。

タキソールは、日本と欧米での投与量の差はありませんが、溶解剤にアルコールが使われているので、お酒の弱い人には使いにくい面があります。
もしあなたがお酒をまったく飲めないのであれば、担当医に必ず告げてください。

他にも、タキソテール・アドリアシン・エンドキサンを同時に3週ごとに6サイクル使用したり、FECを3サイクルの後にタキソテールを3サイクル使用する方法が報告されており、リンパ節転移を認めた患者さんにアンスラサイクリンとタキサンを使用することで再発抑制効果が高くなることが確認されています。