手術後の生活(リンパ浮腫)

リンパ浮腫

腕を動かした時につっぱるような痛みがあったり、時々手術のあとの傷がちくちくと痛んだりするのは、時間の経過とともに楽になってゆきます。半年あるいは一年の単位で様子をみてゆくとよいでしょう。

リンパ郭清をした人は、手術した側の腕の裏側や脇から背中にかけてしびれが残ったり、重く感じられたり、あるいは触っている感覚がなかったりするかもしれません。これも時間はかかりますが、日にちがたつとずいぶん和らいできます。

すこし心配なのは、リンパ浮腫とよばれる腕のむくみです。
脇の下付近にあるリンパには、腕やその側にある上半身の表面のリンパが集まってくる「集合場所」のような役割をしています。

手術のためにどうしてもリンパ管を切断したり傷つけたりしてしまいます。通常は、新しいリンパ管が再生したり、新たな流れが出来たりして、リンパの流れは再び取り戻されるのですが、何らかの理由でこの流れが滞り、本来の流れとは反対に逆流したり、滞ったりすると、腕が重たく感じられたり、ぴりぴりと痛んだり、腕がむくんだりすることに気がつきます。

細胞や組織のすきまに組織間液が過剰にたまった状態、つまり静脈やリンパ管で吸収されたり、運搬・排除される量を上回ることでいわゆる「むくむ」状態になるのです。リンパ管に直接とりこまれず組織間液に残った高タンパク成分(リンパ液はもともと体内にある血液の成分から作られます)などは、白血球の一部で処理されたのちにリンパ管に吸収されるのですが、リンパの流れが障害されることでそのまま滞ってしまい、また白血球の機能も低下するため、タンパクが組織間液に残されます。

そのために、腕がむくんでやや「かたい」感じになるのです。なぜ、これがおこるのか、あるいはどうのような人に起こるのかなど、詳しいことは明らかではありませんが、放射線治療をした人や太っている人に多いとされています。元にもどることもありますが、一度リンパ浮腫になると、上手に付き合うことが必要になります。

リンパ浮腫を予防するために -セルフケアー

少し重いものを持った後や、手術した方の腕を長い時間使った後は、腕を心臓より少し高い位置において休めましょう。

夜休む時には、手術した側の腕は10cm程度の高さのクッションや枕で、高めにして休みましょう。

手術した側の腕を日焼けをすることや、虫刺されなどにも注意しましょう。ガーデニング(庭仕事)や炊事の際には手袋をするなどして気をつけておくとよいでしょう。

肩をまわす(特に後ろ回し)運動は、鎖骨の下にあるリンパの集合場所を刺激するよい運動です。

しめつけ感のある下着(ブラジャー、ストッキングやショーツなどウエスト周りをしめつけるものも含みます)をつけるのは最小限にしましょう。出来れば避けてください。夜休む時には、はずした方がよいでしょう。

適度な全身運動(ウォーキング、散歩、水中で行う運動など)はリンパ浮腫の予防と軽減に役立ちます。やってがみましょう。

手術した側の腕の感覚は、手術していない側の腕に比べると鈍いのが普通です。日ごろから、手術しない方の手のひらで手術した側の肩から二の腕、肘、腕を軽くさわる習慣をつけましょう。この時、背中のほうまで手を伸ばしてさわっておいてください。

セルフケアを行ってもリンパ浮腫の改善がない時や気になるときはご相談ください。